徳島県の県南に位置する明るい漁村育ちの私にとって(うちの夫に言わせると「寂れた漁村」「秘境」)、日和佐(現・美波町)は「山間の集落」というイメージでした。
なぜかというと、徳島市内から県南に続く国道55号線が、日和佐周辺ではありえないほど蛇行をしていて、「山」というイメージ以外は持てないほどだから。
しかし、いざ徳島を離れてみると、ただでさえ知名度の低い徳島県において、県南部は忘れ去られた地であり、秘境。知名度も圧倒的に低いですが、そんななか、県南の海部郡において、頭一つ抜きん出た知名度を誇るのが旧日和佐町、美波町。
なぜ、日和佐が頭抜けているというかというと。
(1)徳島県最後の八十八ケ所霊場の23番目、薬王寺がある。→この次は高知の室戸山明星院最御先寺までなくて、お遍路巡りで一番辛い行程に入ります。
(2)朝ドラ『ウェルかめ』(主演・倉科カナ)のロケ地で舞台。
(3)ウミガメがほぼ毎年産卵にやってくる。
しかも、薬王寺は厄除けのお寺なので、地元の人も厄払いでいきます。ただ厄年以外の人が行くと「厄を拾ってくる」と地元では言われていてので、私は一度も行ったことがないんですけどね。
さ。前置きが長くなりましたが、そんなわけで近くにいた時はほとんど行ったことがなかった日和佐に、子連れ帰省で行ってきました。
目的は、日本できっと唯一のウミガメ水族館に行くため。
この日和佐の大浜海岸はアカウミガメが産卵にやってくるのにぴったりな条件がそろっています。
(1)砂質(粒径)が産卵に適した大きさであること
(2)海岸の沖合に岩礁地帯があり、カメのえさ(魚介類や海藻)が豊富にあり、カメの交尾や憩いの場になること
(4)海岸に人工的(光や音を出すもの)、あるいは自然的(野犬など)の障害がないこと
(5)砂浜の幅がある程度広く、大波の時でも産卵場所が波に洗われる心配のないこと
その大浜海岸の前にあるのが「日和佐うみがめ博物館カレッタ」。1985年にできて、もうこの地で30年。
ちなみに金額は大人600円、中高生500円、小学生300円、小学生以下は無料。展示は7つのエリアに分かれています。
2階建ての館内+屋外には
1太古からの足跡(カメの進化史年表)
2海に生活の場を広げた仲間たち(世界の海が見を展示)
3静かなる闇を求めて(50インチのウミガメビジョンやグラフパネルなど)+子ガメたちが泳ぐ水槽が4つ!
4遥かなる回帰(カメの空中散歩)+沿岸の魚介類が触れるタッチプール
5タートルルーム(ハイビジョンシアター25分のムービー)
6屋外展示(ただよう ウミガメ館&記念撮影コーナー)
7屋外飼育プール(体重120kg、甲羅の長さが1mもある大きなアカウミガメもいます。壮観!)
そのほか、ウミガメ博士ゲームや、大浜海岸が一望できる展望デッキ、さらに土日祝日にはイベントも盛りだくさん。
で、土日祝日に行ったら絶対試したいのがイベントもの!(都合により、変更・中止の場合があり)
◎11:40 子ガメ水槽エサやり解説→飼育員が解説しながら、子ガメ水槽のカメたちにエサをあげる。
◎13:40 大ガメプールエサやり体験→プールの大カメたちにおやつのキャベツをあげる体験。
◎14:40 子ガメとのふれあい体験
◎15:40 大ガメプールエサやり解説→スタッフが解説を行いながらエサやり。
そんなこんなで、予想外に大充実&十二分に楽しめた「日和佐うみがめ博物館カレッタ」。
5月5日 こどもの日特別イベント(小学生無料)
5月中旬〜8月上旬 ウミガメの上陸・産卵期間
7月中旬 ウミガメ祭り
と夏休み時期はうまくいけば、ウミガメの産卵期間に当たるかも。
予想外に楽しめるし、何より目の前の大浜海岸を散歩するだけでもきっと気持ちがいいし、楽しいです。ちなみに個人的には、四万十川よりも水質が綺麗な海部川と、サーフィンの世界大会が開かれる旧海部町も全国区だと思っています。誰も知らないけど。
というわけで、徳島の県南にもぜひお越しくださーい!
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日和佐うみがめ博物館カレッタ
徳島県海部郡美波町大浜海岸
TEL 0884-77-1110
観覧料 大人600円、中高生500円、小学生300円
開館時間 9時〜17時(月曜休、祝日の場合は開館、翌日休み。12月29日〜31日休館)
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