赤ちゃんの肌着や服、よだれかけから布団まで、出産準備をしているときに毎度目にしていたのが
「水通ししてください」
という文字。
なぜ洗濯ではなく水通し?水で洗うだけじゃ意味なくない?
そんなとき、「水通し不要」の布団を発見し、「水通ししなくても大丈夫なものもあるじゃん。企業努力の話?」と思い、頭の中は「???」だらけ。
といっても、「水通ししなければいけない」という事実だけを忠実に守り、その理由までは調べたりしませんでした。
だって、ほかにもっと知らなければいけないこととか、差し迫ったことがあったから。
しかし、年末に無印良品が乳幼児用のオーガニックパジャマを自主回収したニュースをきっかけに、3年越しの私の疑問は解けました。
そのニュースというのが、
「宮崎市の検査により、無印良品の乳幼児用オーガニックパジャマから、基準値を上回るホルムアルデヒドが検出され、無印良品が自主回収した」というもの。
ホルムアルデヒドはいわゆる「劇物」。ホームシック症候群の主犯格で、アレルギーなどにも関連している「オーガニック」と本来結びつくはずのない代物なのです。
ホルムアルデヒドは、もともと建築資材や接着剤として使われていて、40年以上前から国で「劇物」に指定されています。特にホームシック症候群が90年代に大問題になり、2003年に法改正が行われました。
そのほか、衣服の縮み防止や皺伸ばしにも使われていますが、結構厳しい基準が設けられていて、いくらなんでも、現代において赤ちゃんの衣服に好きこのんで「劇物」を使っているわけはありません。
(2000年代後半に中国製の衣服から検出され、メーカー数社が自主回収していますが)
このホルムアルデヒド、とても付着しやすいという性質があるため、保管中に建材などから移ることがあるそう。
そのため、赤ちゃんの服にはビニールがかけて売られています。
一方、水に溶けやすいという性質もあるため、万が一ホルムアルデヒドが付着しているときのことも考え、「水通しをしてください」と記載されているそうです。
だから、「洗濯」ではなく「水通し」でやっぱり正解なのです。
詳しくは「無印良品も自主回収 実は身近なホルムアルデヒド」(東洋経済新報社「ハレタル」)という記事を書かせていただきましたので、そちらをご覧ください!
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